《MUMEI》
市民体開催
4月12日。


この日とうとう、ハンドボール4月大会。


市民体が開催される。


赤高の選手たちは、


会場、県営体育館の前に集まっていた。


「つ〜か、クロさん遅くね?」


「マジに来てくれんの?」


「そう言ってたけど…、公欠になる俺たちと違って、あの人マジサボりになるからなぁ…。」


「大会3日あんだよ?3日も休むの?」


「バ〜カ。最終日は準決勝と決勝だけだぞ?そこまで残れるわけね〜だろ。」


「あ…、それもそうか。」


「自分は…」


「?」


「自分は残るつもりっすけどね。」


「椎名…、お前現実を見ろ。」


「僕も3日間学校サボるつもりだけど?」


「え!?」


振り返ると、そこにはクロの姿があった。


「クロさん、さすがに無理っしょ。」


「それさ。」


「はい?」


「その言葉試合中に言ってたら殺してたから。」


「…すいません。」


選手たちも諦めていたわけではない。


期待するのが、怖かっただけだ。


「つ〜か、新入部員これだけ?」


「…」


この前練習に来た久保を含めて…


新入部員の姿は4人しかいなかった。


「…お前ら大会終わったら罰ゲームな。」

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