《MUMEI》
大切な人居るか?
「凜〜、オレ 凜の背中 洗う〜!」


「おっ そっか?んじゃ 頼むな。」


カイルは 嬉しそうに スポンジを 手に持ち 俺の 背中を 擦った。

…くすぐったい。


俺は 笑いながら カイルに 話かけた。


「なあ、カイル〜、何時も 煌と 二人なのか?両親は?」


「母は死んだ。父は…何時も居ない。」


カイルの、声のトーンが 下がった。


…ヤバッ、聞いちゃいけなかったか?


「まあ、煌が いるから いいよな。」


「煌は、借り者なんだ。いつか 帰さなくちゃならない。煌の大切な人の元へ…。」


「??」


「だから オレは オレだけの 大切な人を 捜してるんだ。」


「ふ〜ん、そっか。」

「なあ、凜? お前は 大切な人は いるのか?」


「う〜ん、今のところは 居ないかな。


「そうか!」
何故か カイルは 嬉しそうな声を出した。


「??」


「おわっ、カイル ちょっ 待て。前は自分で 洗うよ〜。」

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