《MUMEI》 二十六夜 桜の舞ふ頃◆◇◆ ざあ、と木の葉が揺れる。 穏やかな風が、花びらをさらって行く。 はらり、はらり。 舞う花びらは、月明りの中で仄かに匂っている。 「───────」 「姫ー」 「狐叉まだ来ないかー?」 雪兎達が尋ねた。 夜桜は只、舞い躍る花びらを見つめていた。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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