《MUMEI》 会場では、 第一試合が始まっている。 平松学園対城南高校だ。 一方的な試合展開。 前半終盤のスコアは、 18対3。 「酷いな…」 「ま、城南相手じゃこうなるさ。」 新入部員の久保が恥ずかしそうにしていた。 「この試合勝った方が、2回戦で秀皇とか…」 「どっちにしても厳しいすね。」 試合観戦をする選手たち。 「おい、そろそろハーフタイムだ。アップしに行くぞ。」 「は〜い。」 前半終了時、 ハーフタイムの間に次の試合高がアップを行う。 全員の準備ができ、体育館へ向かう途中のことだった。 「あれ?」 会場を後にしようとする聖龍高校の姿が。 「帰るんすか?」 椎名が桜井に尋ねる。 「1回戦はレベルが低すぎる。未知数だったお前たちも練習試合で実力が見えたからな。観戦の必要がないんだよ。」 「…」 (舐めやがって…) 敵意むき出しの椎名。 しかし、桜井の眼中にはなかった。 前へ |次へ |
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