《MUMEI》

「ん…はるちゃん……あったかぃ///」

はるちゃんはいつの間にか用意していた温かい濡れタオルで俺の身体を拭いてくれていた。

「ん、何だそれ?」
「ボディークリームだよ、部屋は乾燥しやすいからな」

はるちゃんはいつもみたいに俺の全身にクリームを塗ってくれた。


あぅぅ…はるちゃんの優しい指が…きもちぃ///

「んん…///」

はるちゃんの細くて綺麗な指が俺の身体を撫でてくる。

武の荒々しくて逞しい手で乱暴に扱われるのも好きだけど、はるちゃんの手で優しく撫でられるのも…すき///



新しい寝巻きに着替えさせてもらうと、慣れた手つきでササッと乱れた髪を整えてくれた。

「お前らよ…まるで執事とお坊ちゃまだな」

さっきからその様子を眺めていた武がそう言うと、俺らはお互いに顔を合わせた。



バトラー(執事)とマスター(ご主人様)…。


何でもてきぱき出来るはるちゃんに面倒見て貰い通しだもんね…俺。


「…いつもゴメンね…はるちゃん」
「いいよ別に…お前の面倒見るの好きだし」

そう言いながらはるちゃんは俺の目の前に膝まづいて、寝巻きのボタンを止めてくれてる。


「おれたち…双子の兄弟なのに、俺は何にも出来なくて…」


そう思ったら目頭が熱くなってきた…熱で頭もぼんやりしてきてるし…。


「お前はそれでいいんだよ」
「はる…ちゃん///」
「出来るお前は想像出来ない」

いつの間にか流れていた涙で目の前がボヤケて…鼻水が出てきた。

「しょうがねぇなぁ…ほらっ」

そんな鼻がグズグズしてる俺に、はるちゃんがティッシュで鼻をチーンってしてくれた。

「おやすみ///」
「あぁ、おやすみ」

そう言ってはるちゃんは武を押し退けながら俺にチュウしてくれた。

もう……そんな事したら…風邪…移っちゃうって…言ってるのに。

そんな事を考えてたら、ほんわか暖かいのと風邪薬が効いてきて、だんだん眠くなってきて……。

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