《MUMEI》 変わったクイーン「ん〜、俺もクラスが違ったし、生徒会でも無かったから本当かはわからないけど…。 何か、噂では、『ここに仲が良いいとこが通ってるから』って聞いたぞ」 「いとこ?」 「そ。『東のキング』とはまた別のいとこ」 (そんな理由で高校決めるのかよ) 普通という基準だけで決めた自分が言うのもなんだが… 「変わったクイーンだな」 「まあね。普通は誤魔化すような事でも、結構、きっぱり言うタイプだし。 でも、嘘は言わないし、何より美人だからさ。 誰も敵わないんだ」 俺の言葉に、守は苦笑しながら説明した。 (高山は王道キングだったけど、いとこでも、結構違うんだな) もしかしたら、この高校のどこかにいる『別のいとこ』は、意外と普通なのかもしれないと、俺は淡い期待を抱いた。 吾妻高校に有名な生徒がいるとは、聞いた事も無かったし。 そして、俺達新一年生は、入学式の会場である第一体育館と呼ばれる建物に入っていった。 …一目でわかった。 司会の教師の側に控える二人の生徒。 体格のいい、おそらく吾妻高校の生徒会長の隣にいる 長身のモデル体型の美女が、『南のクイーン』だと。 前へ |次へ |
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