《MUMEI》
対面
…バタバタッ ドン!
「ゲルド長官、お待たせしました。」


「ふん、待たせ過ぎだ。何年掛かった?それで 健康状態は?」


「良好と 思われます。ただ、目を覚まして 直ぐなので 若干 意識の混濁があるかと…。」


ゲルド長官は 奥のカーテンを 荒々しく 開けた。


中の 金髪の女性は ゲルド長官を 見て 身体を 震わせた。


「黒の院長?」


「やあ、ノラ博士。久しぶりだな。」
眼鏡の奥の 冷たい目で ノラを 見つめた。

ツカツカと ノラのベッドに 歩みより…

「暫く見ない 間に 美しいレディに なったじゃないか?」


そう言って 無理矢理 ノラに キスをした。


「…いや!」


ノラは ゲルド長官の 唇を噛んだ。


「…ツッ…この!」
ゲルド長官は 側にあった タオルを ノラの 口に 詰めた。


そして 側にいた者達に 出ていく様に 指示を出した。


ゆっくりと ノラの方へ 歩いていった。


「さあ、ノラ博士。お仕置きの 時間だよ、悪い子には 身体で 教えないとね。」


ノラの 叫びは 誰にも 届かない。ここには ノラの味方は 居ないのだから…。

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