《MUMEI》
部活
クラスは別々になってしまった三人。
行きと帰りだけは一緒になる。
三人が話題にするのは、担任の話とか、初めて勉強する英語とか、ましな男子って、クラスにいるか?とか。2つの小学校からの合併中学なので、男子の話題は、楽しくてたまらない。

「部活どうする?私は水泳部に入ろうかなって、でも、めんどくさいから、楽チンな、美術にしようか、なやんでるよ」 
夏海の問い掛けに、
「私は親が運動部に入れって。スポーツが沢山できる時期は、中学だけだろうから、って、言うし、テニス部に決めたかなって感じ」千明はどうやら、親の意見も取りいれて、テニス部にきめたようだ。
「私は、運動はどうも苦手だし、運動は水泳以外だめだから、吹奏楽部にしようかなぁ、出来れば、三人同じ部活なら、いいなぁ、一緒に三人で吹奏楽部入らない?」
しかし、話し合いの結果、三人はバラバラの部活にした。そろそろ、自我も芽生えてきたのだった。自分のやりたいことを、やる。と、いう自我、我儘ではない。 夏海は結局、美術部。由佳は吹奏楽部。千明はテニス部。三人はクラスも部活も離れ離れになってしまった。それにより、朝練のあるテニス部の千明は朝が早いと理由で、コンクールがあると、由佳は忙しくなる、と、いう理由で、行きも帰りもとうとう、バラバラになっていった。
部活やクラスで他の友達も出来てきて、より一層、バラバラになってきていた。
しかし、それは、仕方のない事実だから。いい意味で。

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