《MUMEI》

…久しぶりに見たパパとママは若くて、はるちゃんも小さい赤ちゃんになって女の子の格好をさせられてた。

…自分も赤ちゃんになってて同じスカートをママに着せられてた。

はるちゃんはリボンを引っ張って嫌がってたけど、俺はそのヒラヒラした感じが可愛いかったのでまんざらでも無かった。


はるちゃん…またもう一度、俺と女の子の格好してくれないかな…。

はるちゃんはサラサラのストレートだし、俺に似て可愛い顔してるし。

きっと可愛いと思うんだ…。

================

「お前ら変な名前だよな…」
「あぁ…日本語を覚えてから気が付いたぜ」

はるか と かなた。

どう考えても女の子の名前だ。

「兄さんの克哉って名前は母さんが付けたんだけど、それ以降は父さんが付けたんだ…」

と、はるかがため息をつきながら俺に話してくれた。

ドイツ人の親父さんが付けたから、うろ覚えの日本語みたいな名前なんだな。

しかも一番下の弟の名前はくるみというらしい。

大変だな……かなたに似て可愛いければいいけど。


寝ているかなたの頭を撫でながら癖のある髪を指でクリクリ回してキューピーみたいにしていたら、丁度はるかが紅茶を煎れてくれた。

「ぁ…サンキューな」
「何言ってんだ、テメェで淹れろ」

やっぱり可愛いくねぇ…。


でも、ティーポットから淹れてみたら丁度カップ一杯分だった。

そんな所が結構可愛いじゃねぇか…と思っていたら「いつもかなたに淹れてた分だ」と俺に向かって言ってきた。

やっぱ、コイツ…可愛くねぇ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫