《MUMEI》 ラーテと前世の国王俺はもっと強くなりたい。 それだけなのに。 「なんで俺ばかりを狙って世界を破滅しようとするんだ!ラーテ!」 地下室にある、道場で俺は訓練を続ける。 「…そこにいるのは誰だ」 不意に殺気が漂ってきた。 「流石、滝だな」 上から降って来たのはラーテだった。 「噂をすればなんとやらか?」 含み笑いをする。 そして襖を開けて、後ろのドアも閉める。 「何する気だ?」 「どうせ必殺技を出す気だろう?だから、危なくなる前にセットしたのさ」 破壊しかねる脆い和室は、特に気をつけなければならない。 「…なるほど。しかし、今日は戦わないぞ」 「は?」 「君と…世界について討論したくてね」 「じゃあ、会議室へ」 俺はラーテを会議室へ案内する。会議室は事務所と同じ2階にある別室にある。 「さて…」 「どうして世界なんだい?」 俺はドアを開ける。ラーテも俺についで入る。 「君の夢に入り込んだのを覚えているかい」 「あぁ…今日の朝方見た夢だ」 ラーテは、椅子に腰掛けながら話す。 「その中で、私は君と話し合いたくなってね…君はあの時、“破滅する”と言っていた」 智嬉に起こされる前の瞬間だ。 「あぁ…俺は確かに覚えているよ」 「滝、いや、国王。君の本当の答えを知りたい」 会議室に緊張の糸が張り詰める。 「世界とは、どういうものかね?」 「…人間がいなくては成り立たない社会だと思うね。以下でもなければ、以上でもない」 チームワークが大事な世界の中で…生きているから。 「お前らしいな」 「じゃあ…チームワークが大事だから、お前には消えてもらう」 俺の出せる答えはこれしかない。真犯人が見つかった以上、倒すしかない! 「…やはりそうかい。国王」 「時間かけてゆっくり考えた答えが俺の今の答えだ」 「なら、明日にでもアジトに来い。時間は問わない。いつでも待っているぞ」 前へ |次へ |
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