《MUMEI》

「私が、しずかさんを送りますよ…。」


ドラミが、虚しい謝罪のキャッチボールに終止符を打つように申し出たときだった。



「…え…?」


――…何故かしずかは、何かに困ったように固まった。



「しずかさん、荷物……重いでしょ?

…半分持ちますから…。」


そう言って、大量の林檎が入った買い物袋に手を伸ばそうとしたとき――…



「ううん……大丈夫!

…このくらい平気よ!」



何故かしずかはドラミの申し出を強い口調で断った。

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