《MUMEI》 「どういうことなんだ?」 安本が尋ねる。 「わかんね〜のかよ。バカだな。」 「翔太!!だから話してるんだよ!!」 「…すいません。」 翔太は相変わらず大人への態度がなっていない。 「あの練習は、空いているスペースを見つける練習です。」 「?」 「今みたいに、ちゃんとディフェンスすれば攻撃権はうちに移ります。 それは見ていてわかりましたね?」 「ああ。」 「ハンドボールではこういう展開が多いんです。 このチャンスを物にする為に、必要な物があれです。」 「あれ?」 「ボール鬼。 あの練習では、逃げる側が攻撃。鬼がディフェンスを想定してやってるんです。 ボールを貰う為にスペースを探す攻撃。 それを阻止するディフェンス。 あれがこの展開に繋がるんです。」 「なるほど…」 ハンドボールのことを知らない安本でも、 この説明だけで理解した。 今のプレー。 そして… クロの凄さを。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |