《MUMEI》
由佳と先輩の会話
由佳の自宅にもどり、三人は、ペタン と座る。  いつものように、おしゃべりは、始まらなかった。 
「ごめんね、協力してくれたのに……」
そう、口を開いたのは由佳だった。
「はじめは、いいなって思ってて、好きな気持ちとか、自分でもわからなかった、でも、二人が、勝手に、なんだか、盛り上がって、はじめは、勝手だ!とか、思ってて。 でも、わたしは、きっと、二人が言うように、好きなのかなぁって、思うようになってきたの。部活でも、意識したりして、でね、電話ボックスに入った時は、覚悟したんだ。だめでも、いいやって。でも、言えなかった。そしたら、先輩が話し掛けてきたんだ。〈うすうすはわかってた、山田にさぐらせただろ?山田が根掘り聞くから、おかしいと思って、かま、かけたら、あいつ、山下って子から頼まれたって。 あのね、鈴木が山下ってのに頼んだのか?〉っていうから、違いますって、答えた。〈俺のこと、調べて、電話までかけて、何のようかなぁ?〉先輩、なんだか、わかってるみたいって、感じたら、なんか、何も言えなくなってしまったんだ。〈時間ばかり、経っても、何も言えないなら、切るよ。次は、言うこと決めてから、電話してくれる?また、来週から、部活忙しくなるから、頑張ってよ〉そう、言って、切られちゃった……」
ポツリポツリとしゃべったら、ガタガタ震えも止まった。
山田と夏海と、由佳の関係も、ばれていたようだ。 由佳が何を言いたいかも、先輩はなんとなくわかっていたが、拒否め受け入れもしない、態度で、電話を切ったのだ。
三人はしばらく、沈黙した。

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