《MUMEI》 友達?親友?しばらくして、夏海が由佳に謝った。 「なんかさぁ、ごめんね、余分なこと、やりすぎたね。 でもさぁ、山田なんにも言ってなかったなぁ、あいつ! でも、ほんと、由佳ごめんね、許してくれるかなぁ」 由佳は笑顔で頷く。 〈やっぱ、由佳は笑顔が最高だなぁ〉 「千明もごめん!許して、私の親友よ。でも、私は夏海ほど、おせっかいじゃないけど」 千明はおどけて舌をみせる。 何か起きても、許せる者同士、イヤだった事を、我慢していても、あとで、しっかり、伝えられる者同士。それって、ホントの意味で親友かな?と、思う、三人だった。 いつもの三人に戻った、いや、より一層、絆が強くなった、そんな、時間を、すごした。 また、明日から、バラバラの生活が始まる。 「ところで、明日から部活居づらくない?由佳、先輩と、顔あわせるし。夏海は、山田と気まずくなーい?」 千明が、言ってみた。 「だよね、由佳は大丈夫?私は、全然平気、あいつ、アホだし。私だよ!夏海様は、ぜんぜん、平気なのさ!」 夏海の性格からは、心配無用らしいが。 「私も平気、たぶん。夏海たちと、一緒で、一度しかない青春は楽しもうって、思ったの。さっき、ボックスに入った時の覚悟を、思えば楽勝よ!きっと……」 多少、心細い感じの由佳だが、二人は、こう、叫んだ。 「夏海様と千明様が、ついてるぞーー!!」 と。 「ちょっと、うるさいわよ」 下から、由佳母の、声が優しく響いた。 前へ |次へ |
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