《MUMEI》
一括りには出来ず
「……怖い?」

七生の囁き方に不安の色が見えた。

「寒い……、あっためて」

七生の腿に指を這わせた。
七生なんだから気なんて遣うな……。

「――――――いいよ。」

キスが来るのは予測出来た。
優しいキスだ。
がっつくやつじゃない、唇が混ざり合うようなやつ。

七生はたまに、俺を置いていくように大人だ。
引き離させないためにはどうすればいいのか、置いていかれないためには……。

「なんだか、七生のバランスが掴めないや」

子供みたいな大人だ。

「俺だってそうだ、二郎はいきなり大胆になる。」

でも、それは愛し合っているからだって……自惚れていいかな。

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