《MUMEI》
苛立ち
ゲルド長官は 苛立ちを 隠せないでいた。


今朝の 軍事会議〜


「ゲルド長官、人間兵器は どうなってるんだ? 我が国も 慈善事業で やってるんじゃないんだよ。」


「はっ、もう暫く 待って頂きたいのですが…」


「言い訳は 聞きあきたよ。結果を 出したまえ!結果を。」


…口だけだな、アイツ。クスクス…聞こえる様に 冷笑が 響く。


…くそっ!今に見てろ。ゲルド長官は 拳を 握りしめた。


忌々しい あの女のせいだ。(彼の逆恨みなのだが…)


とにかく 彼の クローンを 手に入れなければ、自分の身が 危ないのだ。


ゲルド長官は 椅子に 座り 煙草に 火をつけた。


「あの女、あれだけ ショックを 与えれば 自白剤も よく効くだろう。気の強い女だからな。」


「ふん、五年前の真相さえ 判れば 後は どうなろうが 関係ない。」


実は、ゲルド長官は 彼のクローンに ついて 全く勘違いしていたのだ。


この後 ノラの 自白で明らかになる。

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