《MUMEI》
ため息呼吸
   〜歩視点〜


授業が始まり、寝る気分にもならずシャーペンを持ちノートをとる振りをする。


頬に手をつき、呼吸というよりは息を吸って小さなため息しているといった感じの呼吸を繰り返す。


思い出せば胸が痛くて辛いだけなのに


気がつけば頭の中は麗羅チャンでいっぱいになる。


涙を流す麗羅チャン、初めて笑った時の麗羅チャン、いつもの麗羅チャン


・・・・・冷たい麗羅チャン。


同じ教室に居るのに――こんなに近くに居るのに麗羅チャンでいっぱいな俺。


振り向けば、その姿を瞳に映すことが出来るのに・・・・・ただ呆然と真っ白なノートを見つめる。


時間は、止まることを知らず流れていく。


人の気持ちに左右されることなく1秒1秒時を刻んでいく。


あっという間に1限も終わり、晴れない気持ちのまま海に電話をかける。


プルルルル・・・プルルルル・・・・・


同じ音が耳元で何度も繰り返される。


出ない・・・・・。学校にも来てないし何してるんだ?


俺は不審に思いながらも電話を切り、メールを打ち始めた。


"学校来ないの?"


送信完了の文字を見て携帯をパタンと閉める。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫