《MUMEI》

◆◇◆

「姫、何か心配かー?」

「いや、少し‥考え事をな」

「彩貴の事かー?」

 夜桜は思いがけなく図星を指された。

「ああ、半分はそうだな」

「じゃあ、もう半分は‥」

「うーん‥」

「何だろうなー?」

 三匹は首を捻る。

 だが結局分からないらしく、考える事に飽きたか庭へと飛び出して行く。

 その様子を見つつ、夜桜は穏やかな笑みを浮かべた。

 何とあどけないのだろう。

 無邪気に戯れる妖達が、夜桜には少し羨ましく思えた。

◆◇◆

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