《MUMEI》
恵愛編
あたしは、強きでみんなから頼られていたけど、百合はその逆で大人しくて可愛くて優しい。
だから そんな正反対な百合のコトばかり見てた。

気付いたときには好きになってた。

ある日クラスの女子が、裕吾をフリやがったって言って百合を責めてた。あたしは、怒りが込み上げた。
ずっと自分だけのものだと思ってた。

なのに、


どうして裕吾が告った?

百合は泣いている。
百合を責めてたこいつらが悪い。

「おまえら百合泣かすんじゃねぇよ!誰だよ殴ったの!!」
百合のほっぺは赤くなっていた。
あたしが叫ぶとあたりは一瞬で静まり返る。

怒りはおさまらなかった。
だが、裕吾と翔平がでてきて、問題は解決した。

帰り、腫れた頬にキスをした。白い肌に痛々しく腫れ上がって、胸がずきずきした。
もうこんなおもいはさせたくないと、
強く手を握って帰った。




中学。翔平もモテモテだった。背もいつの間にかあたしより高い。
真っ黒い髪と瞳にドキッとした。
キャーキャー騒がないだけで、周りの子達とかわりなかった。

高校になって裕吾をたくましいと思った。いつだったか一人で電車に乗って痴漢にあった。
普段強気でもどうするコトも出来なかった。

その時裕吾が助けてくれた。怖くて裕吾から離れられずにいると、あたしの手を引いて歩いてくれた。帰りも家まで送ってくれ、メールもくれた。

次の日あたしは一人で電車に乗るのをためらっていた。
すると裕吾が来て、
「俺の側にいな。」といって手を繋いで居てくれた。

それから裕吾は何も言わずに行き帰りの電車に一緒に乗ってくれた。

「どうして一緒に帰ってくれるの?」

「愛がまたあんなことされないように。」

「これからもずっと護ってくれる?」

「一生ね」

「ほんと?」

「ホント。」



−−END−−

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