《MUMEI》

「ねぇ、ココ何か出てきそうだよね〜♪」
「やっ、やめろ!…いや…お前が驚くとうるさいからな…」

変にきっちりした窓があったので、はるちゃんと一緒に近づいていくと、やっぱり突然ガタガタと揺れ始めた。



「ぎゃぁあああ!!」
「えっ///」

驚いたはるちゃんがギュッと僕に抱きついてきた、俺はそっちの方にびっくりしたけど、はるちゃんに抱っこされてるんだと思ったら胸がキュンとなってしまった。

「び…びっくりした…なぁ、かなた…」
「うん///」

暗い中で抱きしめられるのって何だかいいな…。

また、こういうのが無いかワクワクしながら先に進んでいく。




【手術室】と書かれたプレートがあるいかにも分かりやすく何か出てきそうな部屋が出てきた。


二人で手を繋ぎ、さっそく進んでいくと、手術台にはやっぱり何かが横たわっていた。

「はは…コレが動いたりしてな…」

ちょっと強がってみせたりして、可愛いなはるちゃんは♪

「はるちゃん…見に行ってきて…」「何でだよ!!」

ちょっと食い気味にツッコんできた、やっぱり怖いんだな…。

「だって道があっちの方向だし〜♪」

指さした手術台の向こうの薄明かりに通路があるので、この横を通って行かなきゃなんないみたいだ。

「はるちゃんこっち通ってってよ〜♪」
「何で横に並んでくんだよ!た…縦でもいいだろ!」



はるちゃんを手術台の方に押しながら通路を歩く。

早く何か出てきて、はるちゃんが抱きついて来てくんないかな///

ワクワクしながらそんな事をかんがえていたら、突然反対側、つまり俺の横から人が飛び出して来た。

「ぎゃあぁぁ!!」
「あんっ///」

再び驚きまくったはるちゃんが今度は突然俺の頭とかを守るようにガバッと抱きしめてくると、通路の方に向かって走って行ってくれた。


(はるちゃんが…俺を守ってくれてる///)


俺は抱きしめられながら、はるちゃんと一緒に通路を走った。

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