《MUMEI》

(なんなんだよこいつら…


なんでこんな奴らが一回戦から出てくるんだよ…)


試合開始から10分。


瀬川の頭の中に…


『負ける』


その言葉が浮かんだ。


「オッケー!!この調子で行こう!!」


盛り上がる赤高。


「流れが完璧赤高だな。」


試合を観戦する他校。


赤高の強さに注意がいく。


しかし、昔から監督を務め、古くから赤高を知る他校の監督たちには疑問があった。


(確かに強い…


が、今までの赤高のプレースタイルとは違って見える。


現に監督が違う。


そしてあのベンチに座る男…


どこかで見たことが…)


「お前ら!!諦めてんじゃね〜!!」


右45、城島が叫ぶ。


「まだ10分だぞ!!


5点差くらい返せるだろ!!」


その言葉は、


東明の選手たちには届かなかった。


まだ10分しか経っていない…


確かに逆転のチャンスはあるかもしれない…


しかし、


もしこのまま点を取られ続けたら?


屈辱的に負けるだけだ。


あと50分。


その間恥をかき続けるのでは?


早くコートから去りたい。


早く終わって欲しい…


そんな考えが過っていたからだ。


(俺は…


負けたくない!!)


1人諦めない城島。


ここから彼の暴走が始まる。

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