《MUMEI》 しずかの周りを巡るスパイ衛星は、二人の後を追い続けた。 「何故しずかさんがスネオさんの家に? …それに…あの林檎は、いったい…?」 ドラミは、しずかが抱える林檎をモニター越しに見つめた。 しずかはスネオに導かれ、骨川家の地下にある真っ暗なワインセラーへと入ってゆく…。 そこは20畳はあろうかという広々とした空間で、一年中温度が15度に保たれている。 ワインだけでなく、野菜や果物などを保存するにも、うってつけの冷暗所だ。 スネオはワインセラーの片隅に、しずかを先導するように歩いてゆく。 そこには、子供一人なら余裕で入れそうなほど大きな、クーラーボックスが置かれていた。 前へ |次へ |
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