《MUMEI》 仲村希(のぞみ)「へ〜、柊君の元同級生が、祐希のお隣さんなんだ」 「うん、俺も、びっくり」 (お前、さっきは僕だったくせに…) 俺の隣の高山は、目の前の美少女にメロメロだった。 「しかも、志貴ちゃんと、同級生なんて、すごいね」 「ね〜」 (可愛くね〜よ) 高山の用事… それは 俺に会う事ではなくて この美少女 仲村さんに瓜二つの、サッカー部のマネージャー・仲村希先輩に会う事だった。 見かけによらず、高山は恋愛面では消極的らしい。 多分、スーパーの駐車場に着いたはいいが、ここまで来れずにウロウロしていたのだろう。 (…で、俺の自転車見付けちゃったんだな、きっと) そして、俺と繋がりを持って、何気なく希先輩に近付くつもりだったのだろう。 それが、思わぬ偶然の数々。 高山にとって、今、俺の姿は自分と希先輩を結びつけるキューピッドに見えていた。 「相変わらずだな」 「まあね」 屋代さんと仲村さんは、高山の恋心に気付いているようだが… 「困った事があったら、遠慮なく訊いてね」 俺に笑顔を向ける希先輩は全く気付いていなかった。 前へ |次へ |
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