《MUMEI》 ◆◇◆ (痛い‥) ずしん、とのしかかるように鈍い痛み。 この頃になってようやく、夜桜は痣の疼きに気にし始めていた。 甦る、夢の記憶。 やはりあの影か。 だがあれは、夢であった筈。 ならば、何故。 ずしん、とまた鈍い痛みが走った。 「‥‥‥‥‥っ」 それはじわじわと範囲わ広げているように感じる。 夜桜は右腕を左手で袖の上から押さえ付けるようにしながら、その場に蹲った。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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