《MUMEI》
オメデトウ
「やっぱり赤高か…」


席を立つ千葉。


「千葉さん、どこ行くんすか?」


「帰る。赤高の実力はわかった。」


「まだ2戦目すよ?」


「他の試合は見る必要ないだろ。どうせ俺たちとはあたんね〜んだから。」


「んなら俺も帰る。」


「未來さんまで!!」


(さすがクロさんの指導を受けてきたやつらだけあるな。


あのスピードを重視したプレースタイルにクロさんの性格が出てる。


たぶん機動力ならうちよりも…)


赤城北高校。


初戦を勝ち抜いたことで、他校からの警戒は強まっていた。


「なんとか大差で勝てたな…」


「え?なんすかクロさん?」


「ん、いやなんでもない。」


「超疲れた…」


「俺も…」


「自分もっすよ…」


「皆さ。」


「なんすか?」


「今日は炭酸飲んでい〜よ。」


「マジすか!?」


「1年金渡すから買ってきて!!」


「あ〜、俺も!!コーラね!!」


クロは…


春休みの間から選手たちに炭酸飲料を禁止していた。


選手層が薄くフル出場が条件とされる赤高に体力低下効果のあるとされる炭酸飲料を飲ませたくなかったからだ。


しかし、炭酸飲料には疲労回復の効果がある。


明日も試合を控える為、炭酸を飲む許可を与えた。


会場では、次の試合が始まっていた。

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