《MUMEI》
誰も知らない真実
中学生までは、普通に授業を受け普通に高校受験を受けた。
でも、1つだけみんなと違うところがあった。
それは、中学生で医師国家に受かり、医師の資格を持っていること。

このことは、学校では担任の先生と教科担当の先生以外はまだ誰も知らない。

だから、周りに支障がない範囲で学校生活を送っている。

そんな生活を送っているのは、保谷叶依。高校2年生。
見た目はゴク普通の高校2年生。
でも、皆から誤解されていることもある。
そしてこの頃、初めて彼氏ができた。
その彼氏は、叶依の1つ先輩。倉橋七希。
何もかも初めての私を優しく導いてくれる。
暴力を振らず、本気で怒らない。そんな七希が好き。

そんな七希にも私の秘密を言わないといけない時が来る。



高校に入学して早2年目。クラス替えもあり、心機一転するこの時期。
去年クラスが一緒で、中学校からの心友の由愛と、稀萎も同じクラスだった。
この2人は、七希の心友と付き合っている。
由愛は、哲哉。稀萎は、宏生。
たまには、ダブルデートではなくトリプルデートをするときも…
ここまで仲良くても、叶依の秘密はだれも知らない。
(いつ、言おう…)
(もし、言ったらみんなどう反応するだろう…)

叶依は週末に予定されている、トリプルデートのときに
秘密を明かすことに決めた。

  ***

早くも週末。叶依は不安な気持ちでいっぱい。
でも、ばれないようにみんなには笑顔で会話をしていた。

(ご飯を食べるときに、言おう。)

時間は12:30。
ご飯を食べる為に6人は行きつけの店に入った。

そして、注文したものが来るまでの間叶依は全てを語った。

緊張のあまり、ドリンクを一気に飲み干してしまった。
そして…
「あのね…みんなに隠してたことがあったんだ。 ビックリすると思うけど
最後まで聞いて。」
みんなは、真剣な表情の叶依に顔を向けた。
「実は、中学校のときに医師国家受かって医師の資格持ってるの。 ほら、私の親友達が経営している病院で働いてるじゃん。で、時間が許す限りその病院を手伝ってるの。もし、大事故とか起きたときには呼びだし来るからそのときは、授業中でも学校を抜ける。このことは教科担当の先生と、保波先生が知ってるから…。それと、いつでもちょっとした医療機材は持ち歩いてる。今も、持ってるし…。」

「……。」
長い沈黙が続いた。
(やっぱり言わなかったほうが良かったのかなぁ…)
涙が…出てきそうになったけど、堪えた。
「ご、ごめん…。言わなかったほうがよかったかも。」
誰かが口を開いた。
「何で黙ってたの!! もっと早く教えてくれればよかったのに。」
少し怒り気味で話したのは、由愛だった。
「でも、高校生で医師になって大丈夫なの?」
七希が困った感じで聞いてきた。
みんな同じ疑問を持っていたに違いない。
「大丈夫。世界でも数少ないけど、同じ年齢で医師になっている人いるから。」
「なら、大丈夫だね。」
まだ、高校生の医師が医療事故を起こしたということは聞いたことがなかった。
「だから、いつもイヤホン付けてたんだ。てっきり授業聞かないで音楽聴いてたのかと思ってた。誤解してた…」


(やっぱり言ってよかった。それに誤解も解けたし…)
これから、どんなことが訪れるかは今はまったく分からない。

それからは、何事もなかったかのように話を続けていった。

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