《MUMEI》
初めて知ったこと【七希】
叶依の秘密。俺はまったく知らなかった。
彼氏として情けない。
ずっと、言うか言わないか迷っていたはずだ。
なぜそれを俺は気付くことができなかったんだ。

それにどうしてあの時喜んであげられなかったんだ!!
どうして疑問しか言葉が出なかったんだ。

叶依の秘密が分かったんだ。
俺は彼氏として叶依を支えて生きていく。

「叶依〜俺は何があってもずっとお前を支えていくからな〜〜」
って、叫びたい。

俺は、馬鹿だ。

これからは、しっかりと叶依の表情を見ておこう。
そして、悩みがあるときは相談されるような彼氏になる。

このことを、神に誓うぞ! 叶依。

***

俺と叶依が出会ったのは、去年の学祭だった。
俺が高2で、叶依が高1の学祭。
午後からの自由時間、叶依は由愛たちに無理やり連れられ俺達の教室にきた。
この頃には哲哉たちは、由愛たちと付き合っていた。
だからこの中でフリーなのは、俺と叶依。
いかにも、仕組まれていたかのような出会い。
でも、本当の出会いは今日ではなかった。
6人で何回も遊びに行っていたから。
俺は、そのときに叶依に惚れた。
叶依はそのとき俺をどう思っていたのかは知らないが、俺は叶依を好きになっていた。
俺は、哲哉を呼び思いを伝えた。
「俺、叶依に惚れた。 あいつは俺のことをどう思っているかはわかんねぇけど。」
哲哉は、俺の思いを笑いながら聞いていた。
「やっぱりな。実は俺も叶依チャンに惚れてたんだ。でも、俺には叶依チャンは合わない気がした。だから俺は由愛を選んだって事。あっ、由愛には秘密だぞ。」
そう言って哲哉は笑いながらみんなのところへ戻っていった。
それからは、叶依の顔を見ることができなかった。

後から聞いたことだけど、実は俺が哲哉に思いを伝えているとき後では、叶依がみんなに思いを伝えていた。
「七希のこと、好きになったかも…」
それを聞いた俺は、数日後に叶依を呼んでもらい告った。

「叶依…お、俺お前のこと…好きだ。 付き合ってくれる?」
叶依を見ると、ビックリしてた。
「私も、七希のこと好き。 付き合ってくれる?」
な、なんと。簡単に告白成立!!

叶依を大事にしなくては…

***
あの後知った叶依の秘密。

医師の資格持っていたこと。
ちょっとした医療機材をいつでも持ち歩いていること。
もしものときは、学校を抜けて病院に行くこと。
彼氏は、俺が初めてだって事も。
全部教えてくれた。

もう、秘密はないのだろうか…
まだ、秘密があるのなら言ってほしい。

秘密が分かってから一度だけ、叶依が昇降口のほうに急いで走っていったのを見たことがある。
それは、月1回の全校集会のときだった。
連絡が入るまでは普通に話を聞いていた。
連絡が入ってから、焦っているような感じで周りをきょろきょろ見ていた。
そのとき、保波先生を探していたんだと思う。
やっと、先生を見つけ駆け寄っていくのかと思ったら、目で合図をしただけで列から抜けて行った。
(お〜〜。ってか、何で目だけで分かったんだ??)

全校集会が終わり疑問に思いつつ、体育館を後にした。
その後、叶依は戻ってこなかった。

そー言えば、全校集会のときやけに緊急車両と、ヘリの音がしてた。
それで呼び出されたのであろう。

このときもう付き合い始めていたのにも関わらず、やっぱり俺は何も知らなかった。
今度聞いてみよう。

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