《MUMEI》
初めて知ったこと【七希】A
***

久しぶりに叶依と2人で帰れる日。 俺も叶依も何かと忙しくて連絡すら取ってなかった。
でも、やっと2人に時間ができた。
あのときの疑問を聞いてみるチャンスなのかもしれない。
「叶依。こないだの全校集会のとき焦ってなかった??」
つい、俺は何も知らなかったかのように聞いてしまった。
「あぁ。呼び出し来たんだ。病院から直接イヤホンに。」
「へぇー。で、先生見つけて何で駆け寄って行かずに目だけで分かったの??」
どこまで詳しく聞きたいんだよ…
でも、叶依はちゃんと答えてくれた。
「見てたの?? あの時が初めてじゃなかったし、先生も私の様子が変だって事気付いたみたいで。それに駆け寄っていく暇がなかった。連絡ではもう大勢のけが人が運ばれてきてるって言われたから。それで目で合図して行ったの。」
「2人とも凄いんだな…俺には絶対できねぇ。」
俺のこの言葉に叶依はムカついたらしく、
「なってもらわないと困るよ!! いつ呼び出されるか分かんないんだからさ。今呼び出されるかも知れないんだよ。」
この時いつもは怒らない叶依が初めて怒った。
2人はしまった…というような顔をした。
「ごめん。怒るつもりは無かったんだ。つい七希の言葉がムカついて。ゴメンね。」
悪くも無い叶依が謝った。
「俺の方こそゴメン。何も知らずに言ってた。俺も、お前らみたいになるよ。絶対に。」
この事がきっかけで俺はもっと、もっと叶依の事を知りたくなった。
これってある意味ストーカーだよな。

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