《MUMEI》
あの時…
全校集会。
今日は学校生活の態度についての集会だった。
生活指導の先生の話の最中、外は緊急車両とヘリの音がやけに響いていた。
その時、予想はしていたけど案の定イヤホンへ1報が。
「叶依。高速で玉突起きた。けが人多数出てるみたいで、今も重傷者運ばれて来てる。軽傷者は近隣の病院に運ばれてる。で、他の先生は、オペとヘリで手が空いてないの。出てこれる?」
お母さんからの呼び出しだった。
周りはたくさん指示が飛び交っているらしく騒がしかった。
「分かった。 すぐ行く。」
とは、返事をしたものの保波先生がいない…
(早く行かないと…)
あっ、先生。
気付いてくれるかなぁ。

やっと気付いてくれた。
《先生。呼び出し来たから、行って来ます。》
《分かった。気をつけてね。》
と、目で会話をして体育館を後にして病院へ向かった。

***
走って約5分くらいで病院に着いた。
救命の入り口には入りきらないくらいの救急車。
ヘリポートには、医師と看護師が待機していた。
って、こんなにゆっくりしている暇は無い。
私は人ごみを通り抜け、更衣室へと急いだ。

初療室に入った瞬間。待ってましたと言わんばかりに、
「あっ、叶依。 来てすぐで悪いんだけど、すぐ入れる??」
お母さんからの指示。
入れる??と言うのは、オペ。
「何番?」
「2番。 執刀は翔也するから叶依はその助手して。患者は…34歳男性。内臓破裂だから。」
「OK!!」
と、会話をしている間も次々と患者が運ばれてくる。
翔也とは、叶依のお父さん。
お母さんは、依奈。 お兄ちゃんも一緒に働いているけど、今は見当たらない。
もしかしたら、ヘリに乗っているのかも知れない。
お兄ちゃんは叶翔。
お兄ちゃんも高校生で医師国家に受かっている。

初療室を出て行こうと入り口を見たら、どこかで聞いたことがある声が…
『ヘリ搬送です。 意識混濁してます。…』
この声が聞こえるほうを見ると叶翔がいた。
(やっぱり、ヘリに乗ってたんだ)

「のん気にしている場合じゃなかった。」
早くオペ室に行かないと、助かる患者さんが助からなくなってしまう。

***

『遅い。 さっさと準備して来い。』
オペ室前の廊下でお父さんと会ってしまい、怒鳴られた。
「はぃ…」
モヤモヤした気持ちのままオペに望んだ。
2時間でオペは成功し終了した。

その頃には、重傷者の搬送がひと段落していた。

『みんなお疲れ。』
医局に行った時には、もう医師たちが団らんしていた。

私はこの後学校には戻らずに、家に帰った。

そして次の日には普通に学校へ行く。
でも、カバンは学校に置いてきたから手ぶらで登校。

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