《MUMEI》
身体測定
日高、めっちゃニヤニヤしながら
「今日何の日か分かってる?」
「は?――もしかして身体測定の事言ってんの?」
日高は更にニヤニヤ増量させ大きく頷いた。
…はあ。
「―――残念、キスマークなんてありません!」
今日この日の為に 一週間前からつけない様にしてもらっていたキスマーク。
おかげで今日は堂々と人前で裸になれる。
そのかわり今日帰ったら反動でいっぱいつけられそうだけど。
「アホか佐伯、キスマークなんかどうだっていーんだよ、つかなに?キスマークなんか彼女いる奴だったら普通につくべ?」
「――何が言いたい」
分からん分からん!
日高は俺の顔見ながらひたすらニヤニヤしている。
俺はうまい棒にかじりつき、もう一度聞く。
「なんなんだよ!」

――ギュッ…!

「ヤッ!な、何すんだよっ!!」

いきなり中指で乳首強く押されて俺は慌てて払い退ける。
とっさに振り返り長沢を見ると…
――はあ、良かった…
――話に夢中になってる。
「――ばか、やっていい事と悪い事分かんないのか……」
何故かバカみたいに胸元に拳をあててしまう俺。
つかめっちゃドキドキしてる!
日高の指の感覚が躰から離れない!

――もう!

今日も朝から長沢がしつこく吸っていたせいだ!!

「だからさ、それだって」
今度は乳首めがけて指差す日高。何故か片目瞑りながら。
それってまさか拳銃バキューンってか?……―――
はあ…
「意味分かんない?」
「分かるか」
今度は外人みたいに両手でやれやれをする日高。
めっちゃムカつくムカつくムカつくめっちゃムカつく!!
「だからナニ!」
思わずでかい声出したら一瞬で周りがしずみかえり一斉に注目される。

でもそれは本当に一瞬で直ぐにまたざわつきだした。

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