《MUMEI》
引っ越し
 私が、とても、若い、少年に、恋をした、恋にも、似た、感情を持った、話を、聞いてください。もう、二度とは、会えない、少年とのことを。

私は、普通の主婦。たかこ。年齢30歳。
主人は、二歳上。しんじ。私たちには小学3年と2年の娘がいる。
普通に幸せな家庭だ。

主人の仕事で、少し、賑やかな土地へ、越してきた。転勤族なのだ。

「都会みたいね、今までより。 近所付き合い、大変そう」
「君なら平気だよ。その明るさがあれば!」
主人は、そう、いってくれる。ありがたい、やさしさだ。そんな、主人を私は愛してる。娘達も、パパが大好きだ。

引っ越しの場所につくまで、私たちは車の中で、楽しい時間をすごした。

大きな道を入ると、住宅街が目に飛び込んできた。網目のように、きちんと、同じような、家が行儀よく並んでいた。
田舎ではみられないほどの、行儀のよさだった。
私は、その、街並みをみただけで、なんだか、憂欝になってしまった。

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