《MUMEI》
衝撃
入れ替わったところをみると、後ろの3人の中では一番速いのだろう。

(RVF400かぁ…
懐かしいな。)

そう思いながらコースに入った。

下り坂をジェットコースターのように疾走していく。

イン側に腰を落とし、路面に擦りそうな膝をたたみながら、右へ左へとバンクさせていく。

コーナー毎に敷かれたゼブラマーク。
そのカタパルトから、小刻みな振動を受けながら轟音を立てて立ち上がっていく。

中盤を過ぎた頃、ミラーに映る者は居なかった。

(なんや、その程度か!?)

少しがっかりしながら退避所でUターンして、出口で3台を待つ。

同時にRVF400横を通り過ぎた。

その瞬間、俺は衝撃を受けた。

(何!?…あのRVF400は…)

俺は再度、退避所でUターン後、斜め後ろに付いたRVFに目をやった。

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