《MUMEI》

「そうだね。」


ラルンは片手で塁羅をだっこし、もう片方で荷台を押した。


塁羅はラルンにだっこされながら、荷台に乗っているホットケーキを見た。


人数分の皿の上には、いびつなホットケーキが2枚ずつ乗っていた。


紫吾は小走りし、ベランダへの窓を開けた。


開けたと同時に、気持ちいい風が部屋じゅうに流れた。




ラルンは塁羅を、椅子に座らせた。

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