《MUMEI》
かくれんぼ
私と主人は、引っ越し屋さんに、荷物を入れてもらい、大半を片付けた。
引っ越し屋さんに、お茶をだし、あとは、自分たちで、と、引っ越し屋さんは、
「ありがとう、ございました。お疲れ様でした。新地での、お客様の、繁栄を、願っております。」

と、頭を深々下げ、帰っていった。

「さて、五時まで、やりましょうか。」

私たちは、娘がいない間に、少しでもと、片付けを、再び、はじめた。

時間が五時になる頃、外が騒がしくなってきた。
あきらかに、女の子や男の子の声だ。

二階からのぞいてみた。

ゆきとまきが、数人の、少年達と、歩いてくるのだ。
少し、様子を、二階から、うかがうことにした。

家のまわりで、少年達と、かくれんぼを、はじめたのだ。

少年達はどう、みても、中学生・・・だと、思う。

中学生の男の子が?
いまどき、かくれんぼ?
一年生かなぁ?
幼いなあ?
やはり、小学生かなぁ?

私は、なんだか、びっくりした。
私が中学生の時は、携帯やゲームなんか、無かった時代。
外遊びが、主だった。
だけど、かくれんぼ、は、しなかった。あの遊びは、小学生までの遊びだったから。

それに、しても、知らない者同士、いきなり、かくれんぼ、とは。
少年達も、娘達も、いい、性格だなぁ、なんて、思いながら、少しの間、眺めてた。

(ありえない、中学生が、かくれんぼ、なんて)

私は、おかしさを、こらえて、眺めていた。

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