《MUMEI》
横浜新道から高速道路の料金所をETC(無線による自動交通料課金装置)で通り過ぎた。料金ゲートに近づいても時速八十キロを出している!
ポールにぶつかる!
と思った時、ポールは弾けるように上がり我々を通した。
横横道路に乗ってぐんぐんとスピードを上げる。俺の視界には道路脇のフェンスが瀧の様に流れる。
追い越し車線の銀色の3リットルのBMWが、遮光ガラス窓のベンツが、慌てて道を空ける。ヘルメットも被らず暴走するバイクに恐れをなしたのだろう。自転車を追い越すような感覚で、時にはすれすれに擦り抜けていく。
横目に窓ガラスの向こうの運転者の引きつった顔が見えた。
女を感じさせるようなふっくらした体つきなのに、400CCをこのように自在に駆り、ここまでの技術に達するには、とんでもない臂力が必要なはずだ。
「恐怖(ホラー)!恐怖(ホラー)!」
俺の頭にT・S・エリオットの詩の一節が浮かんだ。
耳をつんざくような轟音と白い闇の中で、一瞬先に何が起こるか皆目分からぬ高速移動の地獄に苛まれ、俺は死を覚悟した。
こいつとなら死んでもいい、
と頭の中で繰り返しあっけなく納得した。
死んでも俺は絶対腕を放すものか。
覚悟した瞬間、俺の一物が疼いた。
俺はだぼだぼのカジュアルズボンにボクサートランクスを履いていて、俺の股間にはかなりの自由空間があった。興奮していない状態なら問題はないのだが、あいつへの密着のため俺の一物はだんだんと大きくなってきた!
そして振動と加重力によって、下着のトランクスの裾間から一物がこぼれ出たようだ!手で押さえることも出来ない俺には、まるでそれが外に剥き出されたように思えた。
そして膨張するそれはバイクの前座のシートと、あいつが前傾をしているために少し浮き上がっている尻の隙間にに挟まった!
あいつの尻と座席のシートの間に、直にズボンの下に包まれ、叩き起こされた俺の『もの』が入っていったのだ!
バイクが荒れたアスファルトに振動するたびに、あいつの尻が俺のそれを押さえつける!
俺は潰されまいと『それ』を堅くする!
あいつに気づかれまいと腰を浮かし、反り上がった茎の峰を、あいつの尻に擦りつける!また、振動で強く挟まれる!
茨の鞭でぼろぼろになるまで叩き付けられるような被虐的な快楽!
射精への衝動が激しくなって、哀れな殉教者はますますあいつにしがみつく。
荒れ狂うバイクがとてつもないバイブレータになって俺を狂わせる!あいつの背中の熱さが伝わる。
後ろに飛び散る轟音と風。
溶岩が渦巻く俺の下腹の中心!
あいつの中に抉り入れる自分を想像しながら俺は睾丸をひくつかせた雄になり、あいつの背中に口を付け、絶頂の叫びを上げていた。
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