《MUMEI》

「重太郎〜芋の皮むき、まだ出来ねぇのか?」


「はい、だだ今。」


キントン用のさつま芋。俺の前に山積みだ。

御節の準備に 大忙しのお多福。


毎年 家の御節で正月を迎える人の予約が ビッシリだ。


「ありがてぇ事じゃねえか、頑張りがいが、あるってもんよ。」
親父は 頷く。


…うん、確かにそうだ。常連客のお陰で、俺達は おまんまが 食える。


「重太郎〜来春から 京都で しっかり修行してくんだぞ!」


「わかってるよ、親父、まかせとけよ。」


「クリスマスやらで チャラチャラしてんじゃね〜ぞ!」


…ギクギクッ…
そうだ、だから今年の南の誕生日を祝ってやりたいんだ。来年から遠恋になるから…


明日…25日 南の誕生日〜待ち合わせまで、あと 12時間(笑)


霞ねぇ〜頼むな。親父〜後で怒られるからな。

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