《MUMEI》

「…………ちょ、下にしたら殺すからな」

ベッドに引きずり込まれた。
俺の腹の上で是清は一枚、また一枚と脱ぎ散らかす。

顔面に服が被さった。

「ギプス人間への、親切心だ!オラッ!」

是清の指を口に突っ込まれる。

「……何をふるんら……っ」

指は俺の唾液をくまなく絡める。


「いいか?いっちばん、楽しいこと思い出せ。

俺だと思うな、
俺を乙矢の一番好きなやつだと思え…………………………抱かせてやるよ。」

口から指が抜けた。
顔面に被さっていた衣服を剥がされた。





「………… はっ、」


フェンス越しに聞かされた懐かしい息遣い。


胸に是清の顔がある。
つむじが見えた。

その先に尾骨が見えた。

その先の奥に俺の口に入っていたであろう指が入っていった……。


「――――顔、見せろ」

つむじばかり見せるな。

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