《MUMEI》
キャッチボール
晩飯を食べ終え、焼酎を飲みながらも今日の事が脳裏に浮かび、幾ら飲んでも酔う気配がなかった。

日付が替わる頃まで飲んでいたが、眠気さえ起こらない。

風呂に入ると余計に目が冴えてしまった俺は、寝室に向かい小説を取り出した。

つまらない小説でも読めば眠くなると思ったが、今日の事で頭がいっぱいで、内容さえも頭に入らない。

本を閉じ、電気を消して眠ろうとするが、全然眠れない。

(もう一度あいつと走りたい)

良く、息子とキャッチボールをしたい。と言うが、それに近い感じで
(あいつと走りたい。走りを教えてやりたい)

そう思った…

明日は日曜日、もしかすると、あいつが峠に来るかも知れない。

俺は明日も峠に行こうと決めた。

その後も眠れず、4時を指す時計を見たあと眠りに着いていた。


次に俺が目を覚ました時には11時を過ぎていた。

(あぁ〜、もうすぐ昼かぁ…)

顔を洗い、リビングに向かうと
「おはよう、ご飯は?」
母親が声を掛けてきた。

「ああ、何でもいい」
朝飯?を食べたあとバイクを洗い、峠に向かった。

さすがは日曜日、昨日よりもバイクで賑わっていた。

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