《MUMEI》

 図星だったのだろう、あいつは顔を外向けた。

 俺はあいつの自由を完全に奪おうと決意した。
 両腕を後ろにまわすと、互いの腕で輪となるようにあいつのそれぞれの手首を掴んだ。そしてゆっくり互いの体を起こし、体を離さないようにしながら寝室のベッドに連れていった。
 後ろ手を束縛されたあいつは観念したように下を向いて俺に従った。その気になれば俺の睾丸に強烈な一発を見舞えるだろう。だが、あいつは奴隷の様に従順だった。
 ベッドに手首を掴んだままあいつを横たえる。俺の体がそのまま被さる。
 俺は焦っていた。
 こいつを絶対に逃がしたくなかった。腕を離せば逃げてゆくだろう。ほんのひととき何かの間違いで俺の前に現れた天からの贈り物なのだ。

 ・・・これは人ではない、これを繋ぎ留めるためにはひとつになるしかない・・・
 声が頭のどこからかした。悠久の昔からのような声だ。大切な友人を辱めようとしている俺は気が狂ったのか?

 あいつの後ろ手の両手首を右手でまとめて掴むと、俺は左手であいつの右腿を俺の肩まであげて掛けた。あいつの呼吸が激しくなった。俺は自分のビーチズボンを急いで下にずらし、怒張したものに唾をなすくりつけた。
 あいつの黒いビキニパンツを、尻のほうから力いっぱい引っ張った。右腿まで脱がすとその弾性であいつの左腿も上がり足の自由を奪う。
 おしめを変えられる赤ん坊の様に足を上げられたあいつは、哀れな強姦者を軽蔑の目で睨んでいた。女王のような気位を保って。
 俺の胸の下にたくし上がった奴の濡れた下着から、汗と付着した残尿の香りが上がってきた。
 顔を埋めて吸い込み舐めたかった!こいつの『全て』は俺の脳幹を刺激し、野獣へと変える!長い人生の中で、こんな『異性』に巡り会える機会は他にあるのだろうか?

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