《MUMEI》 三十四夜 縁といふもの◇◆◇ あれ以来、奏美は度々平安京を訪れるようになった。 聴きたいと頼まずとも快く琵琶を弾いてくれ、祇園での出来事を話してくれる。 「奏美ー」 風牙だ。 奏美がきょとんとすると、風牙はあどけなく笑う。 「奏美は夜桜といると楽しそうだなー」 奏美は刹那夜桜を見、頬を染めた。 「姫様には何だか‥不思議な縁を感じるんです」 風貌、性共に、どこか自分に似た姫君。 彼女はいつでも、自分の音を、話を、嬉しそうに聴いてくれる。 それが、奏美には嬉しかった。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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