《MUMEI》
普通じゃない告白
「そ、そうか…」


男は肩を落としながら屋上を後にした。


希先輩は、ため息をついて、空を見上げ…ゆっくりと、屋上を後にした。


(そろそろ俺も…)


午後の授業に間に合うように、教室に戻ろうとした。

ガチャッ


「ここなら大丈夫よね」


「で? 話って?」


(うわ、今度はこっちかよ!?)


俺は慌てて元の位置に隠れた。


(まぁ、また同じパターンだろうな)


違うのは、男女逆な事位だった。


ところが…


「悪い!遅れた」


(ん? この声…)


その声を俺が聞いたのは一度きりだったから自信が無かったが、俺の予想は正しかった。


「「雅樹」」


祐先輩と、先輩に告白しようとした女が、同時に名前を呼んだから。


(何だ? 一体…)


普通じゃない展開に、俺は焦った。


そして、女は普通じゃない告白をした。


「祐、お願い。私とも付き合って。雅樹とは別れなくていいから」


祐先輩の返事も普通じゃなかった。


「俺はいいけど…雅樹は?」


そして、硬派な外見の祐先輩の恋人の返事も普通じゃなかった。


「お前がいいなら、構わない。俺、女は駄目だけど、こいつの良さは知ってるから」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫