《MUMEI》
秘密の三角関係
そして、祐先輩と、葛西先輩と安藤沙希(あんどうさき)先輩は、三人で今後の付き合い方を話し合った。

安藤先輩は、祐先輩と同じ料理部で、葛西先輩の幼馴染みらしい。


(女もイケるヤツだったのか…)


俺は、日替わりで二人の恋人と付き合う事を決めた祐先輩を


心から、軽蔑した。


「じゃあ、私と雅樹は書道だから、またね」


次は選択科目らしく、安藤先輩は葛西先輩と一緒に行ってしまった。


(確か、祐先輩は音楽だったよな)


音楽室は、屋上から一番近かった。


(まずいな…)


一年生の教室は、屋上から一番遠かった。


(今から走って、ギリギリか…)


次の科目は、俺の苦手な国語だった。


しかも、担任の担当科目だから、普通、皆遅刻・欠席は滅多にしない。


(仕方ないな…)


俺は、祐先輩がグラウンドを眺めている間に屋上を出ようとした。


「いつからいたんだ?」


タイミングよく祐先輩が振り返ってしまった。


「つい、さっきですよ」


「…まぁ、お前ならいいか。秘密にしてくれよな。

俺と違って、あの二人や、他の身内は普通だから」


(そんなわけ無いだろ)


そう思いながらも、俺は頷いた

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