《MUMEI》

彼は、どのくらい妹を探して街を駆けずり回ったのだろうか…?



疲弊しきって泣き崩れる武に、いつものガキ大将の横柄さは未塵もなく――…



そこに在るのは、ただ純粋に妹の無事を願う兄の姿だけだった。



「―――…武さん……。」


歩み寄るドラミの足元で――…


地べたに額を擦りつけて懇願する武の背中が――…


…ドラミの中で、今は亡き兄……ドラえもんの面影と重なった…。

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