《MUMEI》
ミスター川中島
カキーーーン!!
「わ〜っ!ヒットヒット〜走れいっくん!!(私の愛称)


私は、サードベースに派手に、ベッドスライディングを決めた。


「やった、やった。」泥だらけの服をはたきながら、満足げに呟いた。


その時、仲間の一人が〜
「お〜い、こいつらが試合やんないかってサ〜!」


「わ〜やろ〜やろ〜。6対6の外野、一人じゃ俺疲れちゃった。」

「でも〜あんた、補欠になるよ。」


「あ…。」
その子は、そっかと笑った。


試合の相手は、団地のモヤシチーム(笑)ハッキリ言って 強くない。


私は、団地チームの中に、見覚えのある顔を見つけた。


…あれ?同じクラスの川中島(かわなかじま)くんだ。ここの団地に住んでたのか?


へぇ、いつも大人しい、クラス委員長がピッチャー!?


「ありゃ、いいフォームしてんじゃん。」
私は、ちょっと驚いた。


「ああ、川中島?あいつリトルリーグのピッチャーで、グアム遠征したんだぜ。」


「でも、バックが足引っ張る…可哀想だね。」


…へ〜、凄いじゃん、ミスター川中島!

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