《MUMEI》 ワンパターン翌日の四時限目。 「どうした?田中」 授業開始から三十分経ったところで、俺の手が止まった。 今は選択科目の時間で、俺は一番目立たない書道の授業を受けていた。 「すみません、紙が終わってしまいました」 「じゃあ、誰かに…」 先生が周りを見渡すが、皆無言で筆を動かしていた。 「仕方ない。次からは気をつけろよ」 「はい、すみません」 俺は、結局先生から習字紙を分けてもらった。 選択科目は週に二回ある。 津田さんと拓磨は美術で 守と真司を含めた俺と仲のいい同級生は音楽を選択していた。 次の時には墨汁が減らされ、また次の時には名前を書く小筆が無くなっていた。 どちらも、目立つ被害ではないが… (ワンパターンだな) これは、中学の時に高山の取り巻き達から受けていた嫌がらせと同じだった。 そして、今日。 書道が終わり、教室へ戻る途中、俺は階段上から突き落とされた。 俺は、見た目派手に転げ落ちたが、軽傷だった。 (まぁ、この位は問題無いな) 俺は忍から、受け身の取り方を学んでいた。 その後も、嫌がらせは水面下で続いていたが、被害は少なかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |