《MUMEI》

「ぅわあっ!」
「ぎゃあぁっ!」

ドサッ!

思ったよりも勢い良く飛び込んで来やがった…。

まるでリングで見るような見事なフライングアタックのように飛びかかってきて、俺は思いっきりぶち倒されてしまった。

「いたた……ご…ごめんね武ι」

かなたを腹に乗っけたまま起きあがってみると、二人とも砂埃だらけだった。

「シャワー…浴びたのによ…」
「ゴメン…ゴメンねっι」

埃だらけなかなたはウルウルしながら必死に俺に向かって謝ってくる。

そんなに慌てなくてもいいのに…飛び降りる前も泣きそうだったってのに、更に泣き出しそうな顔になってやがる…。

「…やるなぁ…お前」
「えっ///」

そう言って埃だらけのかなたの頭をポンポンと撫でると、ニヤッと笑いかけた。

「プロレス技かけてくるとは思わなかったぜ、面白い奴だな」

そう言いながらかなたの腕を掴んで立たせると、制服の埃を払って置いてあった鞄を拾った。

「…ごめんなさい」
「ん…」

かなたはしょんぼりしたように下を向き、リュックのベルトをギュッと握りながら今にも泣きそうにフルフルと震えていた。

「ったく…」

そんなかなたの肩に腕を廻すと、かなたはびっくりしたような顔をした。

「何だよ…」
「怒ってない?」

怒られてる犬みたいに怯えた表情で俺の方を見つめてくる。

「怒ってねぇよ〜面白ぇって言ってんじゃん♪」

肩に廻した腕でギュッとかなたを抱き寄せると、頭をゴツンとぶつけてやった。

はしゃいだり、泣いたり、慌てたり、しょんぼりしたり、リアクションがコロコロ変わってく。

こいつと一緒に居ると面白そうだな、と、さっきまでの泣きそうな顔から既にニコニコしてるこいつを見てそう思った。


「ココが武んトコなの?中とか俺たちの所と全然違〜う♪」

かなた達の寮はココとは別棟の昔作られた古い寮で、外観もアンティークだ。

「すごーい、ピカピカじゃんか♪」

こっちは新しく出来た建物なので外観はかなたんトコと同じようにアンティークっぽくはしてあるが、内装は比較的新しい。

「ココだぜ…」
「わーい!武のベッド///」

鞄から鍵を取り出して部屋を開けると、真っ先にかなたが俺のベッドに飛びかかっていった。

「うわ〜……狭〜い…散らかってるぅ〜」

かなたはベッドの上で跳ね上がりながら俺の部屋を見渡すと、そう言い放ちやがった。

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