《MUMEI》

微動しながら線香花火はパチパチと火花を散らす。

七生は俺が一本目を落とした辺りで既に三本目に差し掛かっていた。


「がったーい。」

俺の火を点けたばかりのものと繋げてきた。

「……ちょっ、」

二ツもろとも落ちたじゃないか。

引っ付いて灯を失ったのをじっと見つめた。
煙たい匂いがする。
花火は七生にしたら小さすぎて、指は中指までしか握れない。

「じろー、ちうしていい?」

残りの、小指と薬指を絡ませてきた。

「そんなアバズレじゃないから……。」

神部に言われたことを気にしてしまうじゃないか。

「あば……?」

難しい顔をしている。
俺と七生も変わらない発想力だ。

「うん、七生は考えなくていいからね。」

眉間のシワを指で弾いてやる。

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