《MUMEI》

バッターボックスに入る私。ピッチャーは、ミスター川中島。


「打ってけよ〜、永嶋〜!!」


「まかしといて、ちょ〜だい!」


一球目〜ビュッ!
「え?」
ストライーク


二球目〜ビュン!!
「は?」
ストライクツー


三球目〜ブン!!
空振り ストライク
バッターアウト!!


「う…」


「なに、やってんだあいっくん…六割打者が…」


「いっくん?」
川中島くんが、仲間に聞いた。


「あの、今の同じクラスの〜永嶋 郁実さ…ん?」


仲間の子が叫んだ。
「え、ウソ!女だったの?」


「え!?」
私は、軽くショックを受けた。


「気分悪い、あたし帰るわ。」


「今、いっくんが帰っちゃったら、誰がファーストやるのサ?」

補欠の彼が、慌てる。

「君がやっても、モヤシチームにゃ負けんでしょ?」


…なんだ、なんだ。この いやったらし〜態度は…。川中島くん、気にしちゃうじゃない…。

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