《MUMEI》

「夜中なのに菓子食ってたろ、いつかプニプニになるぜお前」
「ん〜?…着替えてくるねっ!」
「んっ!」

俺から急に唇を離してかなたは窓から部屋に戻ると、しばらくして服を着替え靴を持って飛び出してきた。

「はるか、お出かけしてくるね〜♪」

かなたが部屋の奥にいたはるかにそう言うと、はるかはいつものように怒ったような顔で『遅くなるなよ…』と言ってきた。

その顔は若干こっちを睨んでいるようにも見えた。




「夜にこうやって2人っきりで歩くのっていいね♪」
「そうだな…」

指先を絡め合ってじゃれていると、そのウチ手を握り合い、二人で夜道を歩いていく。

そのまま学園の裏手にある丘の上に続く暗い道を上がって行くと、やがて薄暗い電灯だけがポッと着いている公園に着いた。

「武ぃ〜こいでぇ♪」

かなたはブランコに走っていくと、ピョンと飛び乗りはしゃいでいた。

「ねぇ、武も乗る?」
「乗るかよ…」

そりゃ小学生の頃は二人乗りして立ち漕ぎとかしていたけど、今二人一緒に乗ったら重量オーバーだろ。

そう思うと、俺も大きくなったんだなぁ…。

確かに、俺は15の歳にしては178cmとデカい方だ。

かなたと付き合い初めてから一緒にお菓子やケーキを食べてるウチに、今まで突入した事も無かった60kg台の、一つ上の階級に突入してしまった…。

これはダイエットしなきゃいけないのか…それとも一階級上を目指せ、というかなたからの思し召しなんだろうか…。



しばらくしてかなたはブランコに飽きたのか、今度は大きな滑り台の方に走って行こうとしていた。

「おいおい、俺たちココに遊びに来たのかよ」
「あっ……うん、そうだね///」

かなたはそう言われ踵を返すと、俺の方に走って来て俺に抱きついてきた。


「んっ…はぁ///」

昼間とは違う雰囲気の公園にあった遊具に腰掛けると、さっきの続きのキスを二人で思う存分楽しんだ。

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