《MUMEI》

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「あ!!ピカチュウのチョコだ〜♪」

キスをしていて武の手を握ろうとしたら、暗くて見えなかったけど武がコンビニの袋を持っているのに気づいた。

その袋を探ってみると、中からこの不良が買うとは思えないピカチュウの形をしたチョコを見つけた。

「お前こういうのとか、好きだろ」
「うん♪」

俺の事考えて、俺の為に買ってきてくれたんだ、と思ったら嬉しくなってしまう。

武って、格好良くて、優しくて、大好き///


「武〜今日も上級生をぼこぼこにしてたでしょ?移動教室の時見たよ!!」
「あ?…あぁ…見てたのかよ…」
「うん!そんときね、友達に あれがおれの彼氏なんだよって言ったら、皆すごいびっくりしてたよ(笑) 武は格好いいもんね////」

そう言って俺は武の事をカッコいいって誉めたつもりなんだけど…武は何だか複雑な顔をしてた。

また俺…違う事言っちゃったのかな…。

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「アレはまぁ、準備運動みたいなモンだ…」

因縁付けてきたから、ちょっと殴ってやっただけ…。

「そういえば武って格闘技部だったよね!」
「…ボクシング部だったけどよ…この前追い出されたんだよな」

原因は俺のこの喧嘩っ早い性格で、よく暴力沙汰を起こすので退部させられたのだ。

ボクサーが拳で殴ると傷害ってのになるとか。

だから事件を起こす前に、って事らしい。

「…ゴメンね」
「お前が…謝るなよ、悪りぃのは俺だし…」

かなたの優しさが、少しでも俺にあれば良かったのにな…。



「コレなあに?」

近くの遊具に座ると、かなたはビニール袋の中にあったカラフルな箱を取り出してマジマジとソレを見つめていた。

「……コン…ドーム?」
「…そういう事だよ///」

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